【2019年新法律】「日本語教育促進法」で定める企業の責務内容|≪外国人雇用企業必読≫

【2019年新法律】「日本語教育促進法」で定める企業の責務内容|≪外国人雇用企業必読≫

2019年6月に「日本語教育の推進に関する法律」(以下、日本語教育推進法)が成立しました。その背景には国内で増加する外国人の支援という目的があります。日本で働いている外国人は日本語能力試験(JLPT)を取得している場合もあります。

とはいえ、その外国人の配偶者や子どもは話せないことも多々あります。この法律は、就労している外国人のみならず、来日しているその配偶者や子どもを含めて対象にしています。

今回は、この法律の概要と企業に求められていることについてお伝えします。

そもそも日本語教育推進法とは?

日本語教育推進法の理念

日本語教育推進法の理念として下記が定められています。

  • 外国人等に対し、その希望、置かれている状況及び能力に応じた日本語教育を受ける機会の最大限の確保
  • 日本語教育の水準の維持向上
  • 外国人等に係る教育及び労働、出入国管理その他の関連施策等との有機的な連携
  • 国内における日本語教育が地域の活力の向上に寄与するものであるとの認識の下行われること
  • 海外における日本語教育を通じ、我が国に対する諸外国の理解と関心を深め、諸外国との交流等を促進
  • 日本語を学習する意義についての外国人等の理解と関心が深められるように配慮
  • 幼児期及び学齢期にある外国人等の家庭における教育等において使用される言語の重要性に配慮

参照元:「日本語教育の推進に関する法律概要」文化庁

日本語におけるコミュニケーションがほぼ全てである日本の地域社会において、日本語が話せないというだけで地域社会と溝ができる、円滑に生活を送ることができない可能性があります。そのため、関係機関と国が連携して外国人の日本語教育推進に取り組みます。

日本語教育推進の背景

この法律施行の背景と目的を文化庁が下記のように記載しています。

背景 ・我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民と共に円滑に営むことができる環境の整備に資する
・我が国に対する諸外国の理解と関心を深める上で重要である
目的 多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現・諸外国との交流の促進並びに友好関係の維持発展に寄与。

参照元:「日本語教育の推進に関する法律概要」文化庁

日本に住む外国人が社会生活を円滑に営めていない可能性があると判断される理由としては文部科学省が2016年に発表した「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」によると、全国の公立小学校に在籍している43,947人の児童生徒が「日本語がわからない」状態にあり、そのうち10,400人は何の支援も受けることができていないという調査報告がありました。

その後、2019年9月に発表された2018年度の調査は50,759人と7,000人近く増加しています。
参照元:「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成 30 年度)」の結果について」文部科学省

日本語教育が必要な児童生徒というのは、ほとんどが海外にルーツをもつ子ども達です。外国人の受け入れを進めている日本では、今後同じような状況に置かれる子ども達が増えていくことが予想されています。

その対策として、日本語教育推進法が成立されたと言えるのではないでしょうか。また、この法律によって、国・自治体・企業の外国人や海外をルーツに持つ子ども達への責任が初めて明言されました。

企業に求められていることは

責任があると明言されましたが、企業は何をすればいいのでしょうか。

外国人等を雇用する事業主は、基本理念にのっとり、国又は地方公共団体が実施する日本語教育の推進に関する施策に協力するとともに、その雇用する外国人等及びその家族に対する日本語学習(日本語を習得するための学習をいう。以下同じ。)の機会の提供その他の日本語学習に関する支援に努めるものとする

引用元:「日本語教育の推進に関する法律」文化庁

日本語教育推進法には、事業主の責務として上記のように第6条に定められています。具体的には、企業は雇用している外国人とその家族に対する日本語学習の機会を提供する、その他日本語学習に対する支援をするという努力義務が課せられています。

日常会話のみならず、業務で用いる日本語についても指導することが求められています。雇用している外国人従業員だけでなく、その家族にも機会を設ける必要があります。

具体的な日本語学習の支援とは

規模の大きい企業にであれば、専任の日本語教師を雇用して日本語教室に外国人やその家族を通わせることが実施できるでしょう。しかし、すべての企業がそこまで整備できるかというと困難であると思います。

そのような場合は、外部に委託することや、そういった教育機関に通えるような支援体制を組んでいくということが検討できます。

努力義務であるため、罰則などはありませんが、自社の社員の日本語能力が向上することは社内のコミュニケーションを円滑にすることに繋がります。またその家族が日本語を覚えることで、雇用している外国人の負担が減りパフォーマンスが上がるかもしれません。

出来る範囲で支援を継続することが、結果として自社の利益にも繋がるのではないでしょうか。

日本語教育推進法の課題

日本語教育推進法には、具体的に実施する制度や仕組みが明記されていません。今後、国や自治体が中心となって検討して企業に協力を求めていくという姿勢であるようです。その協力とは別に、企業には日本語教育を雇用している外国人やその家族に支援する努力義務があるとされています。

ただ、後者は企業によってできる支援が異なってくるため、外国人が入社した会社によって日本語教育の向上に違いが出ることになってしまいます。したがって、背景にある「日本語が話せない外国人や児童生徒」に対する対策としては課題が残っています。

企業としては、国や自治体が中心となってどのような支援体制を組んでいくのかにも注目し、活用することで自社の外国人従業員の育成に努めていくことが大切かもしてません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は日本語教育推進法と企業に求められていることについてお伝えしました。企業の負担も懸念されますが、できる範囲で取り組むことが求められています。

外国人の日本語教育については下記の記事をご覧ください。
別記事:「外国人社員の日本語学習(前編)
別記事:「外国人社員の日本語学習(後編)

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