富士通(FUJITSU)の働き方改革”Work Life Shift”を徹底解説

富士通(FUJITSU)の働き方改革”Work Life Shift”を徹底解説

2020年新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、人々の働き方が見直されています。特に「働く場所」に大きな変化が生まれ、オフィス勤務が当たり前だった日本社会においても、テレワーク、テレビ会議システムを活用した遠隔(サテライト)による業務遂行を主流にする企業も増えています。

中でも先進的な取り組みを2020年7月6日に公表したのは、富士通株式会社(FUJITSU)です。 (以下、「富士通」) 同社は、2017年4月に既に「テレワーク勤務制度」を正式導入し、社員にあった働き方改革を進めてきた先駆者でもありました。 そんな富士通が今回のリリースで掲げたキーワードは以下です。

・フレックス
・テレワーク(在宅)
・ジョブ型人事制度
・在宅勤務支援手当

・通勤定期券代支給の廃止
・単身赴任者の「自宅勤務」切り替え
・オフィス規模削減および分散化

この記事では、これらのキーワードをひとつずつ解説し、ポイントをまとめます。

「働き方改革」富士通のねらい

この度の先進的な「働き方改革」を打ち出した富士通のコンセプトには以下の2つが明言されています。(参照元:富士通公式サイトリリース「 ニューノーマルにおける 新たな働き方への変革」2020年7月6日発表)

  1. 固定的な場所や時間にとらわれない

  2. 社員の高い自律性と信頼をベース

同社が掲げるスローガン、”Work Life Shift” (ワークライフシフト)には、”「仕事」と「生活」をトータルにシフトし、Well-beingを実現する“ことが意味付けられており、 この実現のために、

1.最適な働き方の実現・・・仕事内容、目的、ライフスタイルに応じた働き方
(例:全社員コアタイムの廃止、通勤定期券の廃止、単身赴任の解消)

2.オフィスの在り方の見直し・・・ハブOffice、サテライトOfficeの設置

3.社内カルチャーの変革・・・ジョブ型人事制度の導入

これら3点が重要であると述べています。

ジョブ型とは・・・一人ひとりの職責を明確に定義し、それに応じた報酬設定をすることで、採用においては「あらかじめ定めた仕事、職務に対し、そのポジションの人材を採用する」ことを指します。
従来の日本の「採用してからポジションを個人に与える採用方法(例:新卒採用)」のことを「メンバーシップ型」と呼びます。

ジョブ型メンバーシップ型の定義≫
ジョブ型    :「仕事」に人を割り当てる働き方
メンバーシップ型:「人」に仕事を割り当てる働き方

これらには、メリットデメリットがあり、企業の導入には慎重な検討が必要です。ジョブ型/メンバーシップ型の詳しい解説はこちらの記事をお読みください。

「ジョブ型」の解説記事2020年の新常識|アフターコロナを生き残る企業が知る”5つ”のキーワード-gNavi

フレックス

富士通が目指しているのは、コアタイム(全員が同じ時間に職場にいる状態)を解消し、フレックス勤務を主流とすることです。(一部対象外の社員も)これまで、始業~就業時間まで、一緒の時間に職場に集まり、朝礼や夕礼を行う、という働き方が一般的でしたが、これを解消し、社員の働き方、たとえば、育児や介護に勤しむ社員が自身のライフスタイルに合わせて出勤が可能となります。

フレックス勤務・・・ 労働者自身が所定の労働時間の配置の決定ができる制度。たとえば、出勤前8時に幼児の送り迎えがある社員がいた場合、定刻始業の8時を9時出勤とし、1時間ずらした働き方が可能となる。

テレワーク(リモート)

テレワーク」とは(「tele = 離れた所」と「work = 働く」)で、 会社に出社せず、自宅やカフェ、コワーキングスペースでリモート(遠隔)で仕事をすることを指します。 「リモートワーク」、「在宅ワーク」とも呼ばれています。
テレワークは、民間企業のみならず、政府も推奨しており、総務省からはテレワークについて、ガイドラインが公開されています。
(参考)総務省:テレワークの推進

富士通では、2017年の「テレワーク勤務制度」導入以来、「テレワーク・デイズ」と称し、5万人の社員の一斉テレワーク週間を作るなど、積極的な推進を行っています。これらは、コロナウイルス感染症拡大防止のほかにも、東京オリンピック・パラリンピックの開催によって通勤混雑を回避できる効果もあるため、社会情勢に応じた「働き方」が実現できるようです。

なお、テレワークのメリット・デメリットとして以下のことが挙げられます。

(メリット)
・社員においては、育児や介護と両立しやすく離職率が下がる
・維持管理費、交通費を削減できる

(デメリット)
・社員の仕事について「何をしているか」見えにくい
・勤怠管理などがしずらく、労務上の課題が発生
・セキュリティリスクが高まる

これらデメリットについて、電子メーカー最大手である富士通はすでに開発を進めており、インフラ環境の整備、セキュリティ面の強化などあらゆる課題を解決するソリューションを実験的に生み出し続けているのです。

ジョブ型人事制度

前述のとおり、「ジョブ型」とは「一人ひとりの職責を明確に定義し、それに応じた報酬設定をすることで、富士通ではすでに15,000名の管理職に対して、この制度を導入済です。

ジョブ型は、これまでの日本の雇用の特徴である「新卒一括採用」「終身雇用( 雇用の安定)」「年功序列賃金」(これらを「メンバーシップ型」と呼ぶ)と相反しており、いわば実力主義」により評価されるシビアな世界と言えます。このジョブ型人事は欧米諸国では当たり前の文化で、上司が部下よりも歳が下であることは相応にあり得る世界です。

富士通では、管理職に続き一般職においても、ジョブ型の導入が指針に掲げられており、労働組合と検討を進めるとしています。

在宅勤務支援手当

富士通では、テレワークの推進にあたり、社員1人に対して、月額5,000円の在宅ワークの環境整備費用補助の支給を2020年7月から実施開始しています。この手当は、光熱費や在宅の仕事に必要な机イスなどの備品、インターネット回線(Wi-Fi導入)の通信費などが対象になります。(別称:スマートワーキング手当)

定期券代支給の廃止

在宅ワークの推奨にあたり、富士通では、通勤定期券の廃止という施策を掲げ、これは2020年7月下旬から実施がなされるようです。本施策の詳細には、

  1. 業務都合による移動は、実費精算。
  2. 近隣事業所への通勤は自転車通勤を推奨

と明言がされており、本格的な在宅ワークの推奨、本格的導入が伺えます。これは企業においては、通勤定期のコスト削減に寄与されるため、大手企業で従業員を多く抱える企業にとっては有効な策と言えるかもしれません。

単身赴任者の「自宅勤務」切り替え

昨今のコロナウイルス感染症拡大の影響により、これまで常態化していた、頻度の高い出張は見直され、海外拠点のコストカットによる邦人赴任者の本帰国など、企業は出張者、駐在者における「働き方」を抜本的に見直す時期にきています。

富士通では、テレワークと出張で従来業務に対応できる単身赴任者の自宅勤務への切り替えを2020年7月から実施としており、固定的なオフィスへの出勤を前提とした、 勤務制度、手当、福利厚生を見直す、働き方の大改革を行っています。

オフィス規模削減および分散化

今回の富士通の「働き方改革」の公表によりメディアに注目されたのは、このオフィス規模削減です。富士通のリリース発表によれば、

オフィス環境面では、従業員がそれぞれの業務目的に最も適した場所から自由に選択できるようにするとともに、全席フリーアドレス化により、2022年度末までにオフィスの規模を現状の50%程度に最適化注1)し、快適で創造性のあるオフィス環境を構築

富士通プレスリリース「ニューノーマルにおける新たな働き方「Work Life Shift」を推進 」

と、「オフィスの規模を現状の50%以下に削減」を2022年までの目標としています。

フリーアドレス・・・従業員が個々の席を持たず、自由に働く席を選択できるオフィススタイルのことを指し、この形式は今現在日本の多くの会社でも取り入れられ始めています。

これまでの固定のオフィス、固定の席次を撤廃し、業務の目的にあわせた、自由に選択できる職場環境整備が富士通の狙いであり、”Border-less Office”(ボーダーレスオフィス)と同社はスローガンを掲げています。

これは、従業員同士が完全に各自の自宅に隔離されるわけではなく、業務内容にあわせて、自宅、オフィスを自由に選択ができます。情報交換、雑談の場として「ハブオフィス」利用したり、他拠点とのミーティングに「サテライトオフィス」を使ったりと用途にあわせた働き方が実現できます。

ハブOffice・・・様々なオフィスとの中継機能を備えた、小規模的なオフィスのこと。「ハブ(Hub)」は、もともとネットワークの中継装置のこと。「ハブ空港」(他の空港との中継機能を備えた、地域の拠点となる空港)と同じ意。

サテライトOffice・・・本社・支社から離れた場所に小規模的にオフィスを構えること。 英語の「satellite(衛星)」から由来しており、本社・支社など本拠地を中心に衛星のように設置されることからこの呼び名。

まとめ

富士通の新たな働き方改革にフォーカスし、解説致しました。

ご参考になれば幸いです。

本記事の参考資料: 7月6日記者説明会資料「ニューノーマルにおける新たな働き方への変革」

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